グランドゼロのメッセージ

2006年04月01日

グランドゼロのメッセージ6

ロックフェラーのもう一つの動機

私は今回の一連の記事で、アメリカ改革を主導するロックフェラー、特にデイヴィッド・ロックフェラーの実利的動機について考察しました。しかし私たちは、インサイダー・スピルバーグから、これとは異なる動機、ある意味で決定的な動機を告げられています。ユダヤ民族の安全保障体制を確立することです。

ロックフェラーはユダヤ人なのか――もしこの問いに対する答えが是なら、スピルバーグのメッセージとロックフェラーの状況証拠とが結び付き、私の見方が俄然勢いを増します。ロックフェラー一族がユダヤ人である、隠れユダヤ教徒であると主張する少数の人々の根拠は、ユダヤ人を想起させる名前、キッシンジャーに代表されるユダヤ人の重用、ヨーロッパ大陸のユダヤ財閥ロスチャイルド家との深い関係といったところでしょう。片や反論者の根拠は、JDRの時代から彼らの宗教が"バプテスト"であり、シカゴ大学の創設などその信仰を行動に反映させているように見えること、第二次世界大戦時にユダヤ人を迫害するヒトラーを他の財閥と共に支持したことでしょう。

私はロックフェラー家の信仰が"バプテスト"であることに着目します。バプテストとは、ユダヤ教徒バプテスマのヨハネが実践した全身を水に浸す洗礼(全浸礼)にこだわることで知られる宗派です。この全浸礼で思い起こされるのが、映画「AI」以降のスピルバーグの諸作品です。映画「AI」の主人公デイヴィッドはニューヨークの海に自ら身を沈めました。映画「マイノリティリポート」の主人公ジョンはプールに、次いで浴槽に全身を沈めました。スピルバーグは、決まって全浸礼に状況を一変させる力を担わせます。
(参考)映画「AI」(スピルバーグ)のメッセージ2

2001年の作品から突如としてスピルバーグが強い執着を見せた"洗礼へのこだわり"は一体どこから現われたのでしょうか?私は彼がユダヤ安全保障構想を知ったのと同じ時期に、デイヴィッドの心情にも触れたのだろうと推測しています。洗礼にこだわりを持っていたのはデイヴィッドではなかったかと思うのです。ユダヤ教との接点である全浸礼を重んじる宗派を選択することで、プロテスタントを装う心理的葛藤は余り感じずに済んだのではないかとも想像します。
(もちろんロックフェラー家が本当にキリスト教に改宗した可能性もあります。しかし私は当コラムで911事件等の動機を非キリスト教的な宗教信念にあるとの説を展開しています)

ロックフェラー家は、米国プロテスタントの多数派であるこの派への信仰を公言し、様々な支援の手を差し伸べます。それでもWASPは、ここまで周囲に同化しようとする彼らを尚も排斥します。それは資産の過度な集中を押し留めようとする単純な反作用だったかもしれません。あるいは彼らの強引さへの反発だったかもしれません。しかし当のロックフェラー家の人々は、自分たちが外様、ユダヤ人だからこその迫害と受取り、体制派であるWASP(プロテスタントのアングロサクソン系白人)を激しく憎みます。

その心情を描いたのが映画「AI」です。キリスト教徒にどこまでも同化しようとするAIのデイヴィッド、どうしても受け入れてくれない米国社会――映画はデイヴィッド・ロックフェラーの現実を忠実に切り取りました。二人のデイヴィッドの夢は、この頑なな社会が滅び、全く別の社会が到来することで初めて叶えられます。その転換点に意味深く全浸礼が置かれます。映画「AI」はデイヴィッド・ロックフェラーに捧げられた苦悩と希望の物語です。
(この映画がキューブリックとの合作であることは知っています。彼が遺した脚本を元にしても上記のメッセージを仕込むことは可能だったと考えます)

ロックフェラー家の構想は、資産の増大のための策略であるばかりでなく、ユダヤ民族の安全保障戦略でもあります。第二次世界大戦でモルガンが主導した戦略(ナチスとの融和)を一刻も早く崩したかったのは、実はクリスチャンを装っていたユダヤ人ロックフェラーではなかったかと私は考えています。

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2006年03月28日

グランドゼロのメッセージ5

ロックフェラー傀儡政権の樹立に向けて

企業は利益のみを追求する機関である――企業の行動を分析したジョエル・ベイカンの定義です。本質的に企業は人道主義的でなく、民主主義の尊重者でもありません。利益を最大化するために「それにまつわる不確実性を管理し、それが課す障害を取り除くこと」が企業経営者の唯一の法的責務です。
<参照>ジョエル・ベイカン著「ザ・コーポレーション」

マーケティングの教科書を開いてみてください。マネージャーは製品、価格、販路、プロモーションの4要素を任意に設定することで利益の最大化を図ります。ところがこれとは別に企業・製品を取り巻く環境があります。消費者、競合者、社会、国家などです。これらをマーケターは自由に制御できません。そこで、彼らは先の4要素を柔軟に変化させることで、与えられた外部環境に適応しようとします。

しかしもっと積極的なマネージャーならこう考えるでしょう。この外部環境を自由に操れたら?消費者を洗脳し、競合者を抱き込んだり、排斥したり、社会を懐柔し、国家を制御できたら?これを19世紀から何の躊躇もなく実践してきたのがロックフェラー家です。

中でも利益計画に最大の影響を与える要素は国家です。まず国家は資産の集中、市場の独占を嫌い、企業活動に規制を加えようとします。ですからまずはできるだけ国家が規制を加えないように、法律の制定や施行をコントロールしなければなりません。次に企業はリスクの「外部化」を図ろうとします。例えば倒産のリスクを避けるために、そのような危機が訪れたときに国が救済する仕組みを制度化できれば安心でしょう。あるいは環境破壊が生じたときに、現状復帰費を国が負担する制度があれば余分な出費を抑えられます。そうした有利な法律や施策を実現するために国家に働きかけることも重要です。
<参照>既出「ザ・コーポレーション」、GEグリフィン著「マネーを生み出す怪物」

そのためには、まずは政治家を買収する、有力なロビイストを雇うといった方法が考えられるでしょう。しかし、もっと徹底した者ならさらに一歩を踏み出す次の方法を検討することでしょう。自ら政界に進出して国家の動きを制御するか、配下の者を要職に付けて背後から指令を出すかです。ネルソン・ロックフェラーは前者を選択し、デイヴィッド・ロックフェラーは後者を選択しました。

前の記事で見たように、キッシンジャーから始まった政府要職への人材配置は今や最大の効果を挙げ、ほとんど思い通りの外部環境を作り出すことに成功しています。しかし、この状況がいつまでも続く保証はありません。堅実な(?)経営者なら、これを常態化させるための次の手を打つでしょう。そうした人材が要職に留まっている間に、家臣を最高権力の座に就かせること、できれば長期に亘る傀儡政権を樹立することです。そのための行動が911事件を端緒とする一連の事件だと私は見ています。このプロジェクトを最初に駆動させたのがキッシンジャーだったのは、極めて自然な成り行きと言えます。

まさか立派な大企業がそんなことを仕出かすはずがないと考えたい方には、1934年の前例を調べられることをお勧めします。当時の大統領FDルーズベルトはニューディール政策を断行します。この政策は企業に大規模な規制を課すものであり、大資本家たちにとっては看過し得ないものでした。そこで彼らは団結してクーデターを計画します。英雄バトラー将軍を担ぎ出し、ルーズベルトに替えてファシスト政権を樹立しようとしたのです。
<参照>吉田健正著「戦争はペテンだ」、前掲「ザ・コーポレーション」

幸いにも当のバトラー将軍によってこの計画は暴かれ頓挫しました。この告発を受けた非米活動委員会の秘密調査会の報告書が67年に明らかにされ、その真実性が立証されています。このクーデター計画の首謀者が、モルガン、デュポンそしてロックフェラー財閥関係者たちでした。彼らは「政府と企業のあるべきパートナーシップを確立する」ために立ち上がったのです。企業経営者の当然の責務として。

もしこのとき首謀者たちに厳正な処罰が下されていれば、米国の歴史は随分と様変わりしていたでしょう。残念ながら彼らの計画は、委員会の結論にも関わらず闇に葬られました。そんな彼らに反省などあろうはずはありません。主導者は当時最も優勢だったモルガン陣営です。ロックフェラー陣営は首謀者の一員でしかありませんでした。その後、ロックフェラーは躍進。今度はロックフェラーが主体となって外部環境の最適化に乗り出しているのです。

これがアメリカの実態です。

今後の基調記事集「グランドゼロのメッセージ

ザ・コーポレーション

戦争はペテンだ―バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定

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2006年03月27日

グランドゼロのメッセージ4

ロックフェラーの米国支配と石油

先頃封切られた映画「シリアナ」(スティーブン・ギャガン監督)は、石油メジャーがいかにCIAを始めとする米国連邦政府機関を牛耳っているかを描いています。米国企業である石油メジャーの利益は、国益でもあるとの論理の下、石油メジャーの意のままに、政府機関が中東の政治に干渉し、要人暗殺をさえ遂行します。

映画には、シカゴ大学を創設したジョン・D・ロックフェラーが関係者と懇談している様子を収めた古い記録映像がストーリーを壊すことも厭わず挿入されています。ギャガンが米政治を歪めた元凶として告発したのは、一時全米の石油の95%を独占し、米国石油メジャーの礎を築いた初代ロックフェラーと、今も石油業界に君臨する直系の継承者たちです。

JDRの孫に当たるネルソン・ロックフェラーの意を呈して70年代の世界情勢を操作したキッシンジャーは、現代にまで大きな影響を及ぼしている石油ショックの仕掛け人です。桜井春彦氏は、イギリスの日刊紙「オブザーバー」に掲載されたサウジアラビアの元石油鉱物資源大臣ヤマニのインタビュー記事を紹介し、OAPECによる石油値上げを望んでいたのがキッシンジャーだったこと、当時の米国石油メジャーが値上げにより窮状を救われたことを明らかにしています。
<参照>桜井春彦著「テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない」

さらにキッシンジャーは、第4次中東戦争とこの値上げを理由とした中東侵攻計画まで立案していたようです(自らの工作によって生じた事態を理由としてさらに攻めかかるのは彼らの常套手段です)。十分な大義名分が得られなかったのか、ソヴィエトの脅威が大き過ぎたのか、幸いこの時は計画が実行に移されることはありませんでした。しかし、その後の湾岸戦争、現在のイラク戦争へと彼の意思は確実に引き継がれています。主役はネオコンに変わっても、遂行されているのはキッシンジャーの石油戦略なのです。
<参照>FreeMLメッセージ新国際連合(英公文書情報)

現代の米国政治問題の中心が石油であることはまず間違いないでしょう。ブッシュ大統領は石油ビジネスで基盤を築き、石油業界の利益を体現する政治家です。石油産油国との密接な関係も広く知られています。副大統領ディック・チェイニーはエネルギー利権会社ハリバートンのCEO、ドナルド・エヴァンズ前商務長官は石油会社トム・ブラウン社のCEO、首席補佐官(その後国務長官)コンドリーザ・ライスは石油大手シェブロンの役員でした。石油業界にとってはこれ以上願うべくもない強力布陣の政権です。

しかし、ロックフェラー家の思惑を石油支配だけに限定して眺めることはできません。彼らのビジネス領域は石油を基盤にしながらも、大きくこれを越えています。映画「シリアナ」で触れられたロックフェラー創設のシカゴ大学は原子爆弾開発に当たり重要な役割を果たしました。マンハッタン計画に協力したのも多くがロックフェラーとモルガン傘下の企業群です(当時は両雄が並び立っていました)。今やロックフェラーが統括する観の強い軍産複合体の米政界への影響力もまた軽視できません。
<参照>広瀬隆著「億万長者はハリウッドを殺す」

ロックフェラー・コングロマリットが米国企業の枠に留まる限りは、その利益を国益と同一視する見方も誤りとは言えません。しかしビジネスドメインと共に、ビジネスエリアをも世界に拡大し、多国籍企業となった同コングロマリットの利益は、アメリカの国益ともはや決して一致しません。ユニラテラリズム(一国覇権主義)を主張するネオコンは、米国の国益を追求していると見せかけながら、実は米国が自滅するよう仕向けている、国際協調派と協力して世界を多極化の道に突き進ませていると田中宇氏は分析します。21世紀のアメリカを動かしているのは、多極化を収益上有利と判断する国際資本の論理に他ならないと氏は結論しています。
<参照>田中宇の国際ニュース解説「欧米中心の世界は終わる?」

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シリアナ
億万長者はハリウッドを殺す〈上〉
億万長者はハリウッドを殺す〈下〉

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2006年03月26日

グランドゼロのメッセージ3

ネルソン・ロックフェラーの政治的野望とキッシンジャー

1959年から73年までニューヨーク州知事を務め、WTCプロジェクトを推進させたネルソン・ロックフェラーは、早くも州知事就任直後から大統領職を窺いました。1960年、64年、68年の大統領選での指名獲得を目指して精力的に動きますが、ニクソンを筆頭とするライバルたちに屈してしまいます。このうち最後の68年選挙運動で責任者を勤めたのがドイツ系ユダヤ人のヘンリー・キッシンジャーです。
<参照>ウィキペディア「ネルソン・ロックフェラー」

ヘンリー・キッシンジャーは、1955年にはロックフェラーの外交問題評議会(CFR)の部門責任者となり、56年からはロックフェラー兄弟基金のプロジェクトリーダーに登用されます。ロックフェラーの後ろ盾を得てから後の躍進は目を瞠るばかりで、国務省顧問(65〜68年)など政府機関の要職を歴任します。
<参照>桜井春彦著「テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない」

ネルソンとキッシンジャーの注目すべき動きはベトナム戦争にあります。68年夏から秋に掛けてジョンソン大統領と民主党の次期大統領候補ハンフリー副大統領は、パリでベトナム和平交渉を進めていました。南ベトナム駐在米大使特別顧問をも務めていたキッシンジャーは、共和党シンパでありながらこの交渉団に名を連ねていました。そしてハンフリーの対抗馬だったニクソンに交渉内容を報告していたのです。ニクソン陣営は民間人を使って南ベトナムと裏取引を行い、民主党主導のパリ和平交渉を決裂させることに成功します。(すべては選挙対策のためです。ニクソンは大統領に就任するや、キッシンジャーに北ベトナムとの秘密和平交渉を命じています)
<参照>クリストファー・ヒッチンス著「アメリカの陰謀とヘンリー・キッシンジャー」(この邦題はどうかと思います)

ほとんど面識のなかったキッシンジャーをニクソンがいきなり大統領主席補佐官(国家安全保障担当)に登用したのは、このときの功績によるとしか考えられません。こうしてネルソンは宿敵ニクソンの心臓部に家臣を送り込むことに成功しました。幸運(?)はさらに舞い込みます。ニクソンがウォーターゲート事件で身動きが取れなくなると、実質的に大統領職を担ったのはキッシンジャーです。この間に彼の政治基盤は磐石となり、持てる権限を最大限活用して配下の人材を要職に就けます。あれほど固執しながら達成できないでいたネルソンのホワイトハウス入り(副大統領として)を後押ししたのは、こうした布石だったと思われます。

ネルソンは史上最強の副大統領として権力を揮うはずでした。しかしドナルド・ラムズフェルドの妨害でほとんど存在感を示せないまま任期を終え、大統領職への挑戦を断念させられます。それから間もなくの79年、心臓発作で死去。ついにネルソンの政治支配の野望は叶えられませんでした。正攻法では駄目だ、WASPの壁は予想以上に高い――兄の憤死を目撃したデイヴィッドはそう確信したに違いありません。政権中枢に張り巡らせた人的ネットワークを基盤に、自らは表に立つことなく、影から実効支配する道へと方向転換したのです。

ネルソンの断念と時を同じくして、キッシンジャーも政権から離れます。以後はキッシンジャー・アソシエイツという自らのコンサルティング企業を興し、有力者の背後から政治に絶大な影響力を行使し続けます。ベトナムに和平をもたらしたとの驚くべき理由でノーベル賞を受け、マスコミ操作を得意とするこの名士は、今も大番頭としてロックフェラー家を支えています。

今後の基調記事集「グランドゼロのメッセージ

テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない―アメリカによるテロの歴史

アメリカの陰謀とヘンリー・キッシンジャー

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2006年03月19日

グランドゼロのメッセージ2

世界貿易センタービル(WTC)とロックフェラー

911テロ事件の標的となった世界貿易センタービル(WTC)のツインタワーは、建設当時"ネルソン"と"デイヴィッド"とも呼ばれたそうです。建設推進のキーパースンがこの二人だったからです。チェースマンハッタン銀行の副頭取(当時)だったデイヴィッド・ロックフェラーは、1960年前後から未開発だったローワーマンハッタン地区の可能性に着目し、この地区の起爆剤としてWTCの建設を構想しました。その構想を実現すべくニューヨーク・ニュージャージー両州を動かし、現在も所有者である港湾公社を設立させたのが、当時ニューヨーク州知事だったネルソン・ロックフェラーです。

彼らはかなり強引にプロジェクトを推進したようです。そのことは建築基準法の改正に端的に現われています。1938年に施行された旧基準法では、あのような高層ビルを建築するには莫大な経費が掛かったはずでした。彼らはまず初めに安全性を軽視した違法な基準で建設を開始し、その後で規制緩和が盛り込まれた新法を成立させることでこの関門を突破しました。政治力を頼みとして見切り発車をしたのです。(また元々テナント需要が期待できなかったという意味でもそうでした。1990年代に入るまでテナントのほとんどは両州政府の関連機関ばかりだったようです)
(参考)書籍「9.11生死を分けた102分」のメッセージ1

違法な建築と事後工作、そればかりか911事件で露呈した両タワーの安全性の軽視は呆れるばかりです。先の記事で紹介した書籍「911生死を分けた102分」に詳しいのでここは省きますが、その後連邦政府もこの建物が新しい基準法にさえ違反していたことを認めています(避難階段の数・位置が不適切、避難階段の壁が脆弱)。ロックフェラー兄弟はテロでないにしてもいつか大惨事が起きるかもしれないとの認識を抱いていたはずです。建設当時、航空機の衝突が現実の脅威として心配されていたことも先の記事で取り上げました。
<参照>The New York Times和訳記事(CLAIR New York)
(参考)書籍「9.11生死を分けた102分」のメッセージ3

以上の安全上の問題に加え、最近はアスベスト問題も浮上し、WTCは危機的状況にありました。建替えとなると、まず建物の解体で莫大な費用が掛かり、次に新しい建物を建設するコストが上積みされます。それも大問題ですが、仮にそうした資金が集まったとしても、アスベスト問題は解体を事実上困難にしてしまいました。そして決定的なことに、公社には建替えの法的権限自体がなかったようなのです。
<参照>What really happened

911テロは、この解決不能の難題を一気に解決しました。港湾公社に替わって直前にリース契約を結んだシルバースタイン社が、その契約履行故に再建の権利を認められるという奇跡の法解釈が飛び出します。一群のビルは完全に解体され、アスベストはニューヨーク中に飛び散りました。シルバースタイン社は更地に保険金で新たなビル群を建設できる幸運に恵まれました。関係者は実に運が良かったようです。その原因を作った二人の人物も少なくとも影では胸を撫で下ろしたに違いありません(ネルソンは79年に死去)。表のニュースではシルバースタインの怪しさばかりが目立ちますが、その裏でテロにより不利益を免れた二人の人物の存在を忘れることはできません。

今も存命のデヴィッドは、事件半年後のメモリアルイベントの主要なスポンサーとなり、2004年12月にはWTC Memorial Foundationのボードメンバーに指名されています。911テロ事件後も、彼はWTC、グランドゼロへの影響力を発揮し続けているのです。半年後、1年後のイベントの実施内容決定過程を具に調査できる方は、是非とも試みられることをお勧めします。そこにデイヴィッド・ロックフェラーか、その関係者の関与の痕跡が必ず浮かび上がるはずです。
<参照>LowerManhattan.info
<参照>Freezerbox Magazine

今後の基調記事集「グランドゼロのメッセージ
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2006年03月12日

グランドゼロのメッセージ1

独立戦争、南北戦争、第二次世界大戦

グランドゼロ(あるいはグラウンドゼロ=WTC跡地)を巡る出来事を注意深く観察しますと、そこに特定の確固としたメッセージを読み取ることができます。既にその断片はこのコラムで採り上げていますが、私が新たに得た次のニュース記事がメッセージの骨組みを表出していますので紹介します。

その記事は米同時テロ1周年の追悼式典の式次第を伝える日経新聞の短信です。
ニューヨーク=朝田武蔵同時テロから1年目を迎える9月11日、ニューヨーク市内で行われる追悼式典で、パタキ州知事らが米国の理想をうたい上げた過去の3つの名演説を朗読することが決まった。
 崩壊した世界貿易センター(WTC)跡地で同日午前行われる式典では1776年の「独立宣言」と、「人民の、人民による、人民のための政治」で有名なリンカーン大統領のゲティズバーグ演説を朗読。同日午後、犠牲者追悼のため「永遠の炎」に点火する式典では第二次大戦中、ファシズムに対抗するためルーズベルト大統領が目指した「4つの自由」(言論の自由、信教の自由など)演説が読まれる。


本コラムを読んでくださっている方にはすぐにぴんと来るものがあるかと思います。ここは急がずに考察してみます。1周年式典を執り行った人々(式次第を上記のように企画し決定した人々)には、グランドゼロを米国の歴史と結び付けたい明確な意思があると理解できます。"独立"と"内戦(南北戦争)"、それに"第二次世界大戦"です。

最後の"第二次世界大戦"とグランドゼロの重ね合わせについては誰もが理解しているところかと思います。グランドゼロの根源である911テロ事件は、米国において"第二のパールハーバー"と呼ばれたからです。またそもそもグランドゼロなる名称は"原子爆弾"の爆心地の意味です。パールハーバーと原爆とを繋ぐ糸は"第二次世界大戦"以外にありません。

ここで付記しておきたいのは、半年時点で執り行われた式典では(上の式典は事件から1年時点のものです)、1945年のグランドゼロ(アラモゴード)から上空に向けて光が投射された史実を模写するイベントが挙行されたことです。不可解なことにこのメッセージはテロ事件の衝撃の最中だけでなく、こうして節目毎に発信し続けられ、人々の潜在意識に次第に深く刻み込まれるべく意図されています。
(参考)911事件から浮かび上がるもう一つのメッセージ3

グランドゼロと"米国独立"との重ね合わせについてはどうでしょうか?これも既に本コラムで指摘したとおり、WTC跡地に建設される新ビル群"フリーダムタワー"で確認することができます。この建物は、米国独立の年に因み1776フィートの高さで設計されており、着工は2004年7月4日の独立記念日です。なぜそこまで独立に拘らなければならないのか、よくよく考えてみれば理屈は全く通りません。

「この場所を三つのエポックで象徴される米国史の記念碑にしたい誰かがいる」と考えてみるときにのみ、一連のメッセージは初めて筋が通ります。タワーが崩壊した2001年は第二次世界大戦、新タワーが完成する2008年(以降)が米国独立に重ねられていますから"米国史を遡る記念碑"と言った方が正確です。

このメッセージを最初に発信したのは誰でしょうか?911事件をパールハーバーと結び付け、当時はその意図を誰にも全く汲み取れなかった原爆まで示唆したのは誰でしょうか?まるでこの全体メッセージを当初から知っており、社会に定着させたいかのように。その人物はヘンリー・キッシンジャーです。事件直後に彼があのような発言をして世論をリードしなければ、決してこのメッセージは成立しなかったはずです。
【事件当日のCNNインタビュー】「これは真珠湾攻撃に比せられる。われわれは(かの時と)同じ対応をしなくてはならない。事件を起こした者たちは真珠湾を攻撃した者たちと必ずや同じ目に遭おう」(拙訳)

グランドゼロが上記のメッセージを発していることに異論を差し挟む人はいないと思います。しかし多くの人はこう言うでしょう――911事件を利用して国威を発揚しようとしただけのことではないか。そう、その可能性はあります。しかしキッシンジャーの発言が余りにもタイミングが良く、その後の展開を見事に先取りしているがゆえに私は疑念を払拭できないでいます。あの発言だけはリスクを負ってでもマスコミに影響力を持つ誰かが発しなければならなかった(そのことはメッセージ戦略を知悉するキッシンジャーが一番理解していた)――私にはキッシンジャー発言が完全犯罪の綻びに見えるのです。

911事件そのものが米国内の特定集団による詐欺事件であると私は考えています。既に指摘したとおり、原爆のメッセージは911事件そのものにも見出せます。メッセージから21世紀の米国史を眺めたときに、実に首尾一貫した流れをそこに認めることができます。その意味では、先の日経記事が伝える1周年式典に"南北戦争"があることは決して軽視できません。私はこれを2007年に起こされる第二の詐欺事件と見ています(米国の新しい建国が第三の詐欺事件)。米国内戦の端緒となる事件は必ずニューヨークで起きるはずです。
(参考)911事件から浮かび上がるもう一つのメッセージ2
(参考)メッセージジャーナルの第三メッセージ

そのような前代未聞の物騒な構想を遂行しているのは誰か?その答えはグランドゼロのメッセージを追って行けば案外容易に見出すことができます。グランドゼロの行事に影響力を行使でき、キッシンジャーをメッセンジャーとして使える者――それは誰でしょうか。

ロックフェラー家以外にないではありませんか。

今後の基調記事集「グランドゼロのメッセージ
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映画(劇場公開・DVD・ビデオ)、書籍、ニュース、キャンペーンなど、メディアを通して表現されたものからメッセージを抽出し、隠された意味や表現者の意図を探ります。

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