2007年09月24日

メッセージ・ジャーナルから3

国際ニュース解説の田中宇氏は911事件を起点とする”テロ戦争”を「米英イスラエル中心体制の維持」を目的とする”第2冷戦”と見ています。つまり米中枢同時多発テロは米政府の主導または黙認の下に「作られた事件」であるとするのですが、氏の分析が鋭いのはネオコンとディック・チェイニーが敢えて過激に推進することでこの戦術を故意に失敗させていると看破した点にあります。ここからチェイニー側の目的を「アメリカの覇権失墜と世界の多元化」と読み、このスキームを利益とするアメリカの国際資本家を背後に見出します。この国際資本家は911事件の首謀者ではないと考えていることになります。
<参照>田中宇の国際ニュース解説「テロ戦争の意図と現実

ハリウッド映画に仕込まれたメッセージ(公然としかも隠密に)を羅針盤に911事件を考察した私は、この事件と二つの戦争(さらに今後の事件も)を同じ資本家、具体的にはロックフェラー財閥(当主デイヴィッド)の仕業と見ています(チェイニーもネオコンもロックフェラー財閥のフェロー)。911事件は米英イスラエル体制派、つまりWASP(アングロサクソン系プロテスタント)支配層の仕業に見えるように偽装されているのです。なぜまっすぐに「多元化」に突き進まず、「二元対立」を偽装するのでしょうか?

考えてみれば「多極化(多元化)」は、一貫してロックフェラー家の基本戦略でした。ロシア革命前には秘密裡に共産主義革命家たちを育成し、第二次大戦前にはファシスト党ナチスを米国の国策に反してまで支援していたことが知られています。デイヴィッド・ロックフェラーの時代にあっても、70年代には共産中国を、続いてアラブ産油国を強力に支援しています。また世論を形成する大衆への働き掛けとして、60年代末には世界同時発生した価値多元化運動を鼓舞します。

対してWASPは伝統的に「二極(二元)対立」を作り出すことで国内並びに国際政治・経済・社会を巧妙に操作してきました。第二次大戦にあってはナチスドイツを中心とする「ファシスト同盟」対「自由主義陣営」の対立を、戦後はソヴィエトを中心とする「共産圏」対「自由主義圏」の構図を創出し、維持・強化してきました。ロックフェラー家が自らの戦略を実行しても、直後にWASPの戦略が発動され、大抵同家の努力は水泡に帰しました(敗戦後の日本統治政策においても私たちはその一端を窺うことができます。HGウェルズ提唱の人権・脱国家理念が大胆にも憲法に採用され、その後米ソ冷戦体制への移行でなし崩しにされたのです)。

60年代後半に転機が訪れます。ケネディ兄弟を始めとする要人暗殺の常態化、兄ネルソンの合法的政権奪取の挫折を通じ、現行体制に失望したデイヴィッド・ロックフェラーが政治への本格的なコミットメントを決意します(傘下企業の多国籍化が進展したことも転換の重要な要因と思われます)。60年代末にヘンリー・キッシンジャーとチェイニーをニクソン政権に、80年代にはネオコンとブッシュ・シニア(決して本流政治家ではなかった)をレーガン政権に送り込むことに成功(ベクテル閣僚もここに含めるべきかもしれません)、表向きの主張はどうあれ、彼らは結果として米ソ対立を緩和ないし解消させています(攻撃的言説で軍需産業を伸ばす一方で、現実の国際情勢は穏健化され国際貿易が進展)。

デイヴィッド・ロックフェラーの決意は、21世紀に入って完成に向かいます。WASPを打倒し、「多元化社会」を招来する時期が到来したと判断したのです。一計を案じたロックフェラーはWASPの戦略を逆手に取ることにします(手口を知悉)。ハバナ湾(米西戦争)以来のWASPの流儀に従いトリガーとなる事件を彼らに替わって起こします。911事件です。冷戦終焉に苦慮する彼らは新たな二元対立軸(イスラム対十字軍―原形は宗教対立)立ち上げの好機と見て積極的に参加してくるはずです。十分餌に食いついたところで、彼らの意図を暴けば、911事件を始めとするすべての罪(過去の主要な謀略を含む)をWASPに押しつけられます。国民の力を借りて強大な敵WASPを倒し、革命のエネルギーで一気に多元化(権力の分散、民族の融和・解体、自由主義、世俗化)を推進させようというのです。

ロックフェラー一派は相当慎重にこの作戦を遂行しています。上記の数十年に亘る準備で、政界中枢を自派の人脈で固め(直前の準備も、実行も、事後処理もすべてが円滑に進む体制を構築)、決行に際してはハイジャック、ビル爆破などの重要な局面をその道のプロに任せます。標的もリスクを最小にすべく支配下の施設を選定しています(根本的な意図は別に指摘したとおり)。このような細心さとは裏腹に事件には杜撰さが散見され、稚拙とも思える証拠が残されています。これらはブッシュやチェイニーが属すると一般に見られているWASPの関与と工作を疑わせるものばかりです。

20世紀初頭からWASPの犯罪的政治活動に協力し、60年代後半からは主導する立場ともなったロックフェラー財閥が、宿主(同じ穴の貉)のWASP支配層を駆逐する政変劇(陰のクーデター)が、911事件後の米国の異常な7年の実相であると私は考えます。

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この記事へのコメント

1. Posted by zero    2007年10月04日 17:33
(以前の記事中で米ソ対立をロックフェラーが演出した旨のコメントを記したことがあります。訂正させていただきます)

上記の文章を削除しました。ロックフェラーの基本戦略が「ソヴィエト支援」にあったとしても、米ソ対立を演出しなかった理由にはならないからです。現に演出していた事例をいくつか想起できますし、WASPの戦略に乗って対立から生じる利益を享受していたのかもしれません。いずれにしても、対立が実際の衝突に発展することは望んでいなかったはずです。
2. Posted by zero    2008年01月11日 20:44
田中宇氏は最近の記事で「年末から考察を重ねているうちに、実は911とその後のテロ戦争は、アメリカがイギリスを騙して巻き込み、米英中心の世界体制を崩壊させる大がかりな作戦だったのではないか、という新しい仮説を考えるに至った。」と書かれ、911事件とテロ戦争崩しの首謀者を区別する考えを後退させられました。

<参照>国際ニュース解説「パキスタンの裏側」

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