2007年03月04日
映画「レディインザウォーター」のメッセージ9
ホーリーテラー(聖なる恐怖)
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当時の状況からネルソンが該当する可能性があったため、これまでガイア教に転向した人物を「(某・)ロックフェラー」と曖昧にしてきました。しかしこのような映画が今、製作されている意味を考え併せれば、存命のデイヴィッドに限定して差し支えはないと思われます。そこで以後は明示するものとします。
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ガイア信仰に転向したデイヴィッド・ロックフェラーは、ユダヤ人の安全保障を考える際に、エルサレムとイスラエルに拘る必要がなくなりました。彼は当時(1960年代後半)イスラエルで継起した市民を対象とする無差別攻撃を見て、いくら軍事力で周辺地域に覇権を拡げても、足元のテロに脅かされ続けるようでは、いつまで経ってもイスラエルに平安は訪れないだろうとの結論に至り、イスラエルを見限ったと思われます(コメント1参照)。その彼が視線を転じた先はアメリカでした。
私は前の記事でデイヴィッドRがアメリカを「新しいカナン」と定めたと書きました。カナンは、ヤーウェがユダヤ人に他民族を駆逐せよと命じた地ですから、これは訂正されなければなりません。デイヴィッドRが構想しているのは、多民族が共生する社会であり、イスラエルに代わるユダヤ人の民族国家をアメリカに打ち建てることではありません。彼はそもそも民族主義にホロコーストの根源を見ています。
(参考)映画「ターミナル」のメッセージ集
「多民族国家」アメリカ合衆国は、しかしながら多民族が平等に暮らす国ではありません。この国を支配しているのは「WASP」とオブラードに包んで呼ばれるプロテスタントたちであり、その他の構成員たちは程度の差こそあれ抑圧されています。政界や社会の背後では、WASP対マイノリティの熾烈な戦いが繰り広げられていると越智道雄氏は分析します。
<参照>越智道雄著「ワスプ」(中公新書)
映画「レディインザウォーター」は、それまで戦いの表舞台から身を引いていたデイヴィッドRがガイア転向を機に積極策に打って出る様を私たちに伝えます。そのアメリカ改造プロジェクトの総仕上げが2001年の911事件から始まる一連の重大事件です。WTC(ワールド・トレードセンター)は彼らの新しい希望の象徴と位置付けられ、頻りにその跡地に彼らの思いやプロジェクトの概要を刻印しようと画策しています。その一端は当ブログで報告してきました。
(参考)映画「レディインザウォーター」のメッセージ5 (新タワーでもメモリアル施設でも)
シャマランの上司に当たるロックフェラー家の主席報道官スティーブン・スピルバーグは、映画「ミュンヘン」において、イスラエルからアメリカへの希望の転換をラストシーンに描きました。このシーンは、イスラエルばかりでなく、パレスティナ、イスラム原理主義者、そして米国等々が狂奔する「復讐の連鎖」からの決別をメッセージしたと通常は了解されますが、上の経緯を踏まえると、本当はそうした「戦略」ではなく、「国家」イスラエルからの決別をこそ宣言したものと解釈できます。その決別の直後にWTCが置かれ、彼らの輝かしい未来が示されたのです。
(参考)映画「ミュンヘン」のメッセージ5
デイヴィッドRの狙いは、WASPを徹底的に叩くことです。しかしそのプロジェクトを少なくとも表面上は一貫して仕切るブッシュ・ジュニアがWASPの代表であるのはなぜでしょうか?一見矛盾に感じられるこの配役に彼らの深謀が隠されています。
デイヴィッドRはWASPが支配するアメリカの現行体制を旧体制(アンシャン・レジーム)と見立てます。キリスト教の一元価値が幅を利かせるこの社会では、規範から外れる価値は排斥される傾向にあります。多元的な価値を追求する自由も制限され勝ちです。これを極端に推し進めたのがブッシュ・ジュニアです。元々堕胎や同性愛・同性婚に非寛容だった彼は、テロリズム撲滅を根拠に市民から普遍的自由をさえ奪い始めます。
また、対外的には一国覇権主義の立場を明確にし、米国の権益を諸外国に押し付ける政策を推進しました(実際には米国にマイナスの結果を招来していますが)。大きな戦争を既に二つも始め、アラブ圏を中心に反感を買うことを是認して、世界を「戦争と憎しみ」(「レディインザウォーター」)で満たしています。こうして見ますと、彼は旧体制を一身に体現する人物、いえ、むしろ極端にデフォルメされた人物と言えます。
HGウェルズは「革命後に駆逐される独裁者」を小説「ホーリー・テラー(聖なる恐怖)」に描いています。世界革命を常に思い描いていたウェルズは、革命成就のためには独裁的に革命を立ち上げて旧体制を容赦なく破壊するカリスマの出現を必須と見ました。しかし一旦革命が軌道に乗れば、カリスマは却って邪魔となり、駆逐されるべき存在となります。後は社会の建設者たちの地道な活動に委ねられます。
<参照>k-m industry(黒森牧夫氏サイト)「聖なる脅威」 (コメント3,4参照)
何度か指摘したようにデイヴィッドRたちはウェルズの思想(あるいは小説)に強い影響を受けています。彼らは、この駆逐される独裁者を、さらに旧体制の体現者に仕立て、このカリスマが極端な政策を実行した後に駆逐されるダイナミズムを利用することで旧体制を打倒しようと考えているようです。社会の反動を引き出すためのカリスマです。彼らが嘘の敵を自ら作り出したのと同じ性質のトリックと思われます。
(参考)ロックフェラーのメッセージ3
こうして考えると、余程彼らに誑かされたのでもない限り、ブッシュ・ジュニアがキリスト教を奉じている可能性は低いと思われます。彼は多分自覚をもって「駆逐される独裁者」の役回りを引き受けたのでしょう。その第一歩が「ボーンアゲイン」体験の偽装(1984年)だったのではないでしょうか。彼はキリストを信じてなどいない預言者、つまり「偽の預言者」と疑われます。
(参考)フィクサーと新世界構想4 (キリスト教の簒奪―イエスキリストをアメリカと言い代えさせている)
現時点の状況を見渡しますと、まだ負のエネルギーは極限に至っていないようです。近々もう一つの重大事件が発生し、ブッシュの悪徳はさらにヒートアップすると私は予測しています。それから革命が来ます。堰を切ったようにブッシュの悪だくみが暴露され、人々はヒステリックに叫びながら「ブッシュ的なるもの」を排撃しようとするでしょう。旧体制の歪みを体現するブッシュ・ジュニアが打倒され、対極にある世界(多元的社会という名の精神のカオス)が、こちらもかなり極端な形で招来されることになります。
(参考)カテゴリー「新しい南北戦争(The American New Civil War)」 (整理し切れていません)
私たちが彼らの思惑に嵌まってしまえば、本当の恐怖(テラー)はそこから始まります。
ワスプ(WASP)―アメリカン・エリートはどうつくられるか
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当時の状況からネルソンが該当する可能性があったため、これまでガイア教に転向した人物を「(某・)ロックフェラー」と曖昧にしてきました。しかしこのような映画が今、製作されている意味を考え併せれば、存命のデイヴィッドに限定して差し支えはないと思われます。そこで以後は明示するものとします。
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ガイア信仰に転向したデイヴィッド・ロックフェラーは、ユダヤ人の安全保障を考える際に、エルサレムとイスラエルに拘る必要がなくなりました。彼は当時(1960年代後半)イスラエルで継起した市民を対象とする無差別攻撃を見て、いくら軍事力で周辺地域に覇権を拡げても、足元のテロに脅かされ続けるようでは、いつまで経ってもイスラエルに平安は訪れないだろうとの結論に至り、イスラエルを見限ったと思われます(コメント1参照)。その彼が視線を転じた先はアメリカでした。
私は前の記事でデイヴィッドRがアメリカを「新しいカナン」と定めたと書きました。カナンは、ヤーウェがユダヤ人に他民族を駆逐せよと命じた地ですから、これは訂正されなければなりません。デイヴィッドRが構想しているのは、多民族が共生する社会であり、イスラエルに代わるユダヤ人の民族国家をアメリカに打ち建てることではありません。彼はそもそも民族主義にホロコーストの根源を見ています。
(参考)映画「ターミナル」のメッセージ集
「多民族国家」アメリカ合衆国は、しかしながら多民族が平等に暮らす国ではありません。この国を支配しているのは「WASP」とオブラードに包んで呼ばれるプロテスタントたちであり、その他の構成員たちは程度の差こそあれ抑圧されています。政界や社会の背後では、WASP対マイノリティの熾烈な戦いが繰り広げられていると越智道雄氏は分析します。
<参照>越智道雄著「ワスプ」(中公新書)
映画「レディインザウォーター」は、それまで戦いの表舞台から身を引いていたデイヴィッドRがガイア転向を機に積極策に打って出る様を私たちに伝えます。そのアメリカ改造プロジェクトの総仕上げが2001年の911事件から始まる一連の重大事件です。WTC(ワールド・トレードセンター)は彼らの新しい希望の象徴と位置付けられ、頻りにその跡地に彼らの思いやプロジェクトの概要を刻印しようと画策しています。その一端は当ブログで報告してきました。
(参考)映画「レディインザウォーター」のメッセージ5 (新タワーでもメモリアル施設でも)
シャマランの上司に当たるロックフェラー家の主席報道官スティーブン・スピルバーグは、映画「ミュンヘン」において、イスラエルからアメリカへの希望の転換をラストシーンに描きました。このシーンは、イスラエルばかりでなく、パレスティナ、イスラム原理主義者、そして米国等々が狂奔する「復讐の連鎖」からの決別をメッセージしたと通常は了解されますが、上の経緯を踏まえると、本当はそうした「戦略」ではなく、「国家」イスラエルからの決別をこそ宣言したものと解釈できます。その決別の直後にWTCが置かれ、彼らの輝かしい未来が示されたのです。
(参考)映画「ミュンヘン」のメッセージ5
デイヴィッドRの狙いは、WASPを徹底的に叩くことです。しかしそのプロジェクトを少なくとも表面上は一貫して仕切るブッシュ・ジュニアがWASPの代表であるのはなぜでしょうか?一見矛盾に感じられるこの配役に彼らの深謀が隠されています。
デイヴィッドRはWASPが支配するアメリカの現行体制を旧体制(アンシャン・レジーム)と見立てます。キリスト教の一元価値が幅を利かせるこの社会では、規範から外れる価値は排斥される傾向にあります。多元的な価値を追求する自由も制限され勝ちです。これを極端に推し進めたのがブッシュ・ジュニアです。元々堕胎や同性愛・同性婚に非寛容だった彼は、テロリズム撲滅を根拠に市民から普遍的自由をさえ奪い始めます。
また、対外的には一国覇権主義の立場を明確にし、米国の権益を諸外国に押し付ける政策を推進しました(実際には米国にマイナスの結果を招来していますが)。大きな戦争を既に二つも始め、アラブ圏を中心に反感を買うことを是認して、世界を「戦争と憎しみ」(「レディインザウォーター」)で満たしています。こうして見ますと、彼は旧体制を一身に体現する人物、いえ、むしろ極端にデフォルメされた人物と言えます。
HGウェルズは「革命後に駆逐される独裁者」を小説「ホーリー・テラー(聖なる恐怖)」に描いています。世界革命を常に思い描いていたウェルズは、革命成就のためには独裁的に革命を立ち上げて旧体制を容赦なく破壊するカリスマの出現を必須と見ました。しかし一旦革命が軌道に乗れば、カリスマは却って邪魔となり、駆逐されるべき存在となります。後は社会の建設者たちの地道な活動に委ねられます。
<参照>k-m industry(黒森牧夫氏サイト)「聖なる脅威」 (コメント3,4参照)
何度か指摘したようにデイヴィッドRたちはウェルズの思想(あるいは小説)に強い影響を受けています。彼らは、この駆逐される独裁者を、さらに旧体制の体現者に仕立て、このカリスマが極端な政策を実行した後に駆逐されるダイナミズムを利用することで旧体制を打倒しようと考えているようです。社会の反動を引き出すためのカリスマです。彼らが嘘の敵を自ら作り出したのと同じ性質のトリックと思われます。
(参考)ロックフェラーのメッセージ3
こうして考えると、余程彼らに誑かされたのでもない限り、ブッシュ・ジュニアがキリスト教を奉じている可能性は低いと思われます。彼は多分自覚をもって「駆逐される独裁者」の役回りを引き受けたのでしょう。その第一歩が「ボーンアゲイン」体験の偽装(1984年)だったのではないでしょうか。彼はキリストを信じてなどいない預言者、つまり「偽の預言者」と疑われます。
(参考)フィクサーと新世界構想4 (キリスト教の簒奪―イエスキリストをアメリカと言い代えさせている)
現時点の状況を見渡しますと、まだ負のエネルギーは極限に至っていないようです。近々もう一つの重大事件が発生し、ブッシュの悪徳はさらにヒートアップすると私は予測しています。それから革命が来ます。堰を切ったようにブッシュの悪だくみが暴露され、人々はヒステリックに叫びながら「ブッシュ的なるもの」を排撃しようとするでしょう。旧体制の歪みを体現するブッシュ・ジュニアが打倒され、対極にある世界(多元的社会という名の精神のカオス)が、こちらもかなり極端な形で招来されることになります。
(参考)カテゴリー「新しい南北戦争(The American New Civil War)」 (整理し切れていません)
私たちが彼らの思惑に嵌まってしまえば、本当の恐怖(テラー)はそこから始まります。
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1. オンナのウソ [ 性欲の星:地球 H・誕生・H・死 ] 2007年03月05日 20:21
ヒトは何故エッチなの?そもそもヒトの性欲は生理的とは言えない。小学生の頃、工作の時間、[雄ねじ]・[雌ねじ]の説明に困っていたオナゴ先生。エッチは生き物の中でヒトだけが持つ、不毛で限りなくイヤラシイ感情。 でも…
この記事へのコメント
1. Posted by zero
2007年03月04日 12:02
デイヴィッドRがイスラエルを見限ったとしても、そこに住むユダヤ人までは見放していません。そのため彼がイスラエルに対して取った政策は「小イスラエル戦略」だったと思われます。この政策を現地で遂行するキーマンがウジ・ダヤン(ダヤン将軍の甥)です。
ですから、もしデイヴィッドRが第二次大戦時と同様に、戦争で難民化したユダヤ人たちをアメリカに大量移住させようとでも考えない限り、イランとイスラエルの全面戦争はまずないと考えます。それとも犠牲を厭わないデイヴィッドRはそこまで踏み越えるのでしょうか?
ですから、もしデイヴィッドRが第二次大戦時と同様に、戦争で難民化したユダヤ人たちをアメリカに大量移住させようとでも考えない限り、イランとイスラエルの全面戦争はまずないと考えます。それとも犠牲を厭わないデイヴィッドRはそこまで踏み越えるのでしょうか?
2. Posted by zero
2007年03月04日 12:16
スピルバーグは長い間、ユダヤ人であることに苦しめられ、アイデンティティを拒否してきましたが、1991年の二度目の結婚式の際にはユダヤ教の式を挙げており、心の変転を推測させます。さらに1990年代の半ばになって、デイヴィッドRの薫育を受け、その後のいつの時点においてか(98年から2000年と推定)、ユダヤ人としてのアイデンティティはそのままにガイア信仰に転向したと考えられます。
3. Posted by zero
2007年03月04日 12:18
黒森氏サイトからの引用です
作中では何度かJ.フレイザーの『金枝篇』についての言及が為されているが、ウェルズはこの中の「生贄としての王」と云う概念に、つまり、一時的に強大な権力を与えられはするが、役目が終わればさっさと殺されて次の王にその座を譲る王、と云う概念に惹かれたらしく、新世界秩序を打ち立てる為の一時的な必要悪の存在について悩んだと思われる跡が見られる。
作中では何度かJ.フレイザーの『金枝篇』についての言及が為されているが、ウェルズはこの中の「生贄としての王」と云う概念に、つまり、一時的に強大な権力を与えられはするが、役目が終わればさっさと殺されて次の王にその座を譲る王、と云う概念に惹かれたらしく、新世界秩序を打ち立てる為の一時的な必要悪の存在について悩んだと思われる跡が見られる。
4. Posted by zero
2007年03月04日 12:20
黒森氏による「ホーリー・テラー」翻訳の一部です(同サイトからの引用)
「僕には考えがあるんですよ、お父さん、まだ未完成なんですけどね。つまり、我々が正気の新秩序に到達する前に、旧い制度のもっと遙かに大規模な掃討が必要だってことなんですよ………。新たな段階へ進むことが出来る様になる前に、世界は或る種の掃討を、旧い汚染された着物を焼き尽くすことを必要としている、ってね。
「僕には考えがあるんですよ、お父さん、まだ未完成なんですけどね。つまり、我々が正気の新秩序に到達する前に、旧い制度のもっと遙かに大規模な掃討が必要だってことなんですよ………。新たな段階へ進むことが出来る様になる前に、世界は或る種の掃討を、旧い汚染された着物を焼き尽くすことを必要としている、ってね。

