2007年02月17日

映画「レディインザウォーター」のメッセージ6

世界管理人のマキャベリズム
-------------------------------------------------------------------
映画「レディインザウォーター」は多くの秘密を隠し持ち、観客の潜在意識に影響を与える危険なサブリミナル作品です。今回はその秘密を読み解く6本目の記事です。初めて訪れてくださった方にはメッセージ1から順にお読みいただくことをお勧めします。
(参考)映画「レディインザウォーター」のメッセージ集 (一旦下まで降りてください)
-------------------------------------------------------------------

映画「レディインザウォーター」のクリーブランドがロックフェラーだったとして、彼がユダヤ人の安全保障を気に掛けているとは、作中のどこにも触れられていないと思われた方もいらっしゃるでしょう。その点は確かに、スピルバーグ作品や911事件に関係する多様な情報を総合的に判断して辿り着いた私見です。しかし、シャマランがそのこともちゃんと作品に織り込んでいたことに気付きましたので、早速報告します。

主人公ストーリーが人間の世界を訪れたのは、後に世界を変える重要な本を著わす作家(ガイアの器)を鼓舞するためでした。本のタイトルは「クックブック」"CookBook"。料理本としか思えないその本は、痛烈な社会批判の書です。意外にも、この書籍を指し示しているとしか思えない、タイトルも内容も全く同じ書籍が実在しました。"The Anarchist Cookbook"(Anarchistは「無政府主義者」の意)です。知る人ぞ知る本でもあり、ここは他に比べて分かりやすいサインと感じられます(google.comにて1件、コメントのやり取りの中での言及を確認)。
<参照>Wikipedia「The Anarchist Cookbook」
*テキストをダウンロードできるようですがお勧めはできません

Anarchistcookbook













Wikipediaによれば、"The Anarchist Cookbook"は「ベトナム戦争を遂行するアメリカ政府への抗議」(protest against the United States government over the Vietnam war)を目的にウィリアム・パウエル(William Powell)が著した「テロのためのマニュアル」書です。テロ活動の様々なレシピが紹介されたこの本の要諦は「暴力を政治変革の手段として認める」(violence is an acceptable means to bring about political change)ことだそうです。

そのまま911事件に直結しそうな主張がなされているこの”社会批判の書”は、私が作品が重視する時間と推定したまさに1970年に出版されています(儀式・転向はやはり1960年代後半と見ます)。映画「レディインザウォーター」は、ここから十数年後にある人物が感銘を受け、彼が大統領となってその思想を具現化するとしていました。確かにブッシュ・ジュニアが登場し、暴力(911事件)を手段としてアメリカの政治変革を推進しており、そうであれば彼の目的はアメリカを無政府状態に陥れることとなります。少なくともブッシュ・ジュニアがアメリカを弱体化させているのは事実でしょう。
(参考)映画「Vフォー・ベンデッタ」のメッセージ2 (今後の計画を素描している作品です)
<参照>国際ニュース解説「イラク開戦前と似た感じ」(米国を意図的に弱体化させているとの田中宇氏の分析。氏は背後に多極化をメリットとする国際資本家の存在を感じている)

シャマランの落としたパン屑を追ってもう少し先へ進むと、私たちはもう一冊、同種の戦闘マニュアルに出会うことができます。"Holocaust Education and Avoidance Pod"というタイトルの、こちらはSF小説(「クリプトノミコン」/未読)に登場する「架空の本」です。wikipediaによれば、「ジェノサイドや民族浄化の被害を受ける恐れのある人々を対象としたゲリラ戦マニュアル」で、ホロコースト生き残りのアメリカ人科学者が将来のホロコーストに備えて著したとの設定だそうです。
<参照>Wiki「Holocaust Education and Avoidance Pod」

さて、私たちはキーワードに辿りついたようです。そしてミスター・クリーブランドが「ホロコーストが再現されない世界の構築」を願う人物であることも同時に明らかになりました。なぜなら、シャマランが例によって「正解」と合図しているからです。"Holocaust Education and Avoidance Pod"の略称はHEAP(ヒープ)。管理人クリーブランドのファミリーネームです。"CookBook"から出発した道がこうして"Cleveland Heap"へと帰ってきました。(コメント1参照2007/2/25)
(参考)小説「宇宙戦争」のメッセージ (SF好き、言葉遊び好きも彼らの特徴)

クリーブランドが「管理人」とはまた練られた設定ではありませんか。ロックフェラーはきっと「世界の管理人」になりたいのでしょう(しかもそれまでの神とは違って、甲斐甲斐しく働く管理人に)。シャマランが映画「ヴィレッジ」に描いた小さな理想世界を実物大に広げることを彼は望んでいるのです(あの広大な自然公園を管理しているのは誰の設定だったでしょうか?)。

仮にこの動機が真正なものだったとしても、暴力のない世界を築くために暴力を行使するという考えは倒錯しています("The Anarchist Cookbook"そのまま)。911事件から立ち上げられた世界はどこまで行っても悲しみと無念さを引きずった世界です。そのどこに理想と平安があるでしょうか?
(そう言えば「ヴィレッジ」では犯罪者は容赦なく処刑されました。この伝で行けば彼らが真っ先に罰を受けることになりそうです)

デイヴィッド・ロックフェラーは、ホロコーストの原因を民族主義の存在そのものに求めました。彼はこの考え方に基づく思想や政治・社会を尽く粉砕する決意でいます。そのために彼が世界に提示した「物語」については次々回辺りで記事にできると思います。その前に、アメリカ合衆国における「ユダヤ人安全保障体制」について書かなければなりません。次回に続きます。

それにしても、デイヴィッド・ロックフェラーはリーズのご隠居とは随分異なる選択をしたものです。

クリプトノミコン〈4〉データヘブン

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by zero    2007年02月25日 13:51
作品を再度チェックしたところ、Clevelandの姓は"Heap"でなく"Heep"でした。「ヒープ」と聞いて"Heap"を浮かべる方が英語圏では一般的なようで、google.com検索によっても倍以上のサイトが"Heap"と誤解しています。しかし作品が"Heep"とする以上、この記事の中盤は訂正を必要とします。作中にクリーブランドと「ホロコースト」との直接の関連を現時点では見出せないと認めざるを得ません。
(全体として見れば、世界平和を願うとするロックフェラーの動機の背後にユダヤ人問題を措定することにいささかの疑念もありません)
2. Posted by zero    2007年12月30日 11:05
この作品は既に指摘したとおり、「発音」と戯れて満足しています。"J.G.Scrunt"の例、"a narf"の例、そして"Heep"を"Hip"とまで拡張する例。

そうであれば、"Heep"は"Heap"を含んで何ら差し支えがないことに思い到りました。ですから上のコメントは再修正します。

「しゃれが出てきたら、その言葉はキーワード」―シャマランとスピルバーグの目くばせです。気を付けてみてください。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
ブログ概要
zero
映画(劇場公開・DVD・ビデオ)、書籍、ニュース、キャンペーンなど、メディアを通して表現されたものからメッセージを抽出し、隠された意味や表現者の意図を探ります。

最新記事集(トップページ)はこちらです
記事一覧(メッセージリスト)はこちらです
最新記事
カテゴリー
ブログ内検索