2007年01月14日

映画「ソードフィッシュ」(ドミニク・セナ監督)のメッセージ

911映像トリックが見破られるとき

カウンターテロチームのリーダーである自称ゲイブリエル・シアーは、犯罪に加担させられたハッカーであるスタンリー・ジョブソンに問い掛けます―「もし一人の子供を殺せばすべての病気が根絶されるとしたらお前には殺せるか」。スタンリーは問い返します―「それが10人だったら?」。ソドムとゴモラの町を巡る聖書の記述が意識されているこの問いは、さらに「では100人だったら」そして「2,974人だったらお前には殺せるか」と続くはずです(聖書とは逆順に)。2,974人は911テロで犠牲となられた死者の数(最終報告書)です。

テロリストを抹殺するための活動資金を得るために銀行強盗を決行し、市民(無辜の民、あるいは守るべき対象)を巻き添えにして平然としているゲイブリエルの答えはもちろん「イエス」です。作品においてこの人物に対置されるスタンリーの立場は断固として「ノー」であり、二人の信念はどこまでも平行線を辿ります。ここが作品の核心なのですが、そこに踏み入る前にもうしばらく筋を追うことにします。

ゲイブリエルは完全犯罪を目論み、トリックを仕掛けます。トリックの種を彼はこう解説します―「思い込みを利用すれば観客の眼前で象さえ消すことができる」「人は目と耳の刺激に騙されやすい」。彼は高層ビルの屋上に大型で(目の刺激)、音を轟かせる(耳の刺激)ヘリコプターを用意し、スタンリーに犯人がそれで逃げるつもりだと思い込ませます。そして大勢の捜査官の眼前でヘリコプターが撃ち落とされるに任せることで犯人が死んだと錯覚させます。その実、彼らは隠れ通路を通ってビルに入り逃げ伸びます。トリックの成立です。
<参照>UNZIP(解説と合わせ参考になります)

テロとカウンターテロをテーマに据え、ビンラディン風のテロリストの名前と犯歴に言及し、ご丁寧に公共交通機関を高層ビル上層階に激突までさせるこの作品が実際のテロ事件と重ならないはずがありません。911事件直前に製作され、直後に公開されたこの作品は、明らかに911事件の鍵となったトリックを暴露しています。衆人環視の下(ポイントはテレビ実況)、航空機がWTC(ワールドトレードセンター1,2棟)に衝突します。人々が映像から目を離せないでいるうちに、突如WTCは崩落します。その巨大な惨劇を目撃し、崩落の轟音を耳にした人々は衝撃の中で二つの出来事を結び合わせ、「航空機衝突(原因)がビルを崩落(結果)させた」と思いこみます。

この作品は、公開当時の観客を対象にしたものでは決してありません。航空機衝突をWTC崩壊の原因とする合理的な説明は不可能であると確信した概ね2006年以後の観客が対象です。一定時間の経過と特定条件(幻惑効果の減退)を前提として初めて作動する時限式メッセージといったところでしょうか。では、重大な内部情報を暴露してまで後の観客に伝えたかったメッセージとは何だったのでしょう。私はエンドロールに登場する一文「the final password:VERNAM」に注目します。

作品のプロットからVERNAMは「バーナム暗号」を意味します。この暗号方式のポイントは「排他的論理和」にあります。排他的論理和(Xor、EXOR etc)は図にあるとおり、論理和(OR)から重複部分を排除した部分を「真」とするものです。両者の重なりは「偽」となります。ここでゲイブリエルとスタンリーの関係を思い出してください。各々の信念は「真」であり、二人の信念は重なりません。
Xor







かくして、映画「ソードフィッシュ」は次のとおりメッセージしていることが分かります。「テロ根絶のためのテロ」を是とする者も否とする者もどちらも正しい。そして両者が交わるところは「偽」が支配する。つまり、911テロはテロリストを抹殺するためのプロジェクトであり、その目的は正しいのだから、犠牲者が出たとしても許容されるべきである。あのような形でトリックを仕掛けたのは、両者が共存するためには「偽」を行使する以外にないから。彼らは自らの犯行とトリックを独特の(かつ単純な)論理で正当化しようとしています。

以上のメッセージを作品が発していることに疑念の余地はありません。しかしそのメッセージが伝達されることで得られる効果はと考えると、私たちはもっと奥まで踏み込まなければならないことに気付かされます。ここには911事件を「考えを誤ったテロ撲滅者、暴走した愛国者の犯罪」と位置づけたい者の意志が読み取れます。当ブログが追求するようなさらにその背後に潜む黒幕を隠蔽しようとしているのです。

彼らはトリックがやがて見破られることを想定していたようです。しかるべきタイミングに合わせてこの映画は新たなメッセージを発信し始めます。目覚めた人々を真相からできるだけ遠ざけるべく作品が制作されたと考えるなら、すべての辻褄が合います。

ソードフィッシュ 特別版

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この記事へのコメント

1. Posted by zero    2007年01月15日 19:02
ゲイブリエルは冒頭でハリウッド映画論を展開します。いわく「ハリウッド映画に欠けているのはリアリティだ」。彼が良い作品として掲げるのは、どれも現実をモデルとした犯罪映画ばかり。彼らはその決定版として「ソードフィッシュ」を制作し、「これこそ完全なるハリウッド映画」と悦に入っています。事件直後にWTC激突シーンを指してハリウッド的だと評された方がいましたが、どうやら現実はさらにその先を行っているようです。
2. Posted by zero    2007年01月15日 19:04
もう一つ気になるのは、「多くの人が犠牲になる事件で動く金額が数億くらいでは少なすぎる」とのセリフです。映画ではDEAの隠し資金約1兆円が狙われます。ここも現実とリンクしているとすれば、多大な犠牲者を出した911事件でも巨額の金が動いていることになります。すぐに思い浮かぶのは先物取引の一件ですが、WTC内に貯蔵されていた金ののべ板にも要注意です。相当量が失われたと推測されていること、一方で事前に運び出されたとの情報もあることから、策謀者たちが得たのはそののべ板ではなかったかとも思えてきます。しかしこれも事件の動機と同じ類の偽情報かもしれません。

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