2007年01月08日
ロックフェラーのメッセージ1
動機の継承
クリーブランドの1石油精製業者に過ぎなかったジョン・D・ロックフェラーが今日の世界王国を築くに至る転換点は1869年にあったとロン・チャーナウは指摘しています。戦略家JDロックフェラーは、自社の経営を安定させるには生産調整と価格の安定が必須と結論づけました。そこでクリーブランド全体の業界管理に乗り出したのです。
<以下参照>ロン・チャーナウ著「タイタン」井上廣美訳
この発想から彼は鉄道を巻き込んだ精油業者のカルテルを結成しようと動き始めます。この目論見はうまく行かなかったものの、結局同地区のほとんどの業者を買収してしまいます。その後順次、他地区の業者も自社の傘下に収めることになる次第は1869年の決断からの必然の道程と言うべきでしょう。
自社の経営のために外部環境に働き掛け変化させるという考えは、以前の記事で指摘したように企業の根源的欲求ではありますが、ロックフェラーほど徹底して実践した企業人は少ないと思われます。彼は輸出拡大に伴って、世界の石油市場を制御しようとしましたし、経営に規制を掛けようとする州政府への働きかけを躊躇しませんでした。
(参考)グランドゼロのメッセージ5
なぜこれほどJDロックフェラーが自分に都合の良い環境を作るために他者に干渉することを是とし得たのか、そこには彼の独特の宗教観があったようです。彼は自分の金儲けが神の意思であると確信していました(「私たちの事業は抗いがたい神意に基づいている」上P466)。神は彼に石油を恵み(「石油、何とすばらしいお恵み」上P273)、スタンダート石油を祝福します(「(スタンダード石油は)石油事業の救世主」上P274)。彼の考えに同意しない者たち、つまり傘下に入ろうとしない業者は神の敵ですから駆逐されて仕方がありません。「(神の元にある)われわれ対彼ら」(上P276)という図式が彼の脳裏にくっきりと刻まれます。
私たちは全く同じ理屈をブッシュ・ジュニアの言動に見ることができます。ブッシュは神の代理人であり、ブッシュとアメリカは常に神に祝福されています。そして自分たちに同調する者とそうでない者とに世界を峻別し、後者を弾圧します。自己の正当化、絶対化に神が利用されています。ロックフェラー帝国初代の特殊な理屈が今日のアメリカ大統領の理屈と相似を成しているのは一体どういう訳でしょうか。
(参考)フィクサーと新世界構想4
JDロックフェラーは世界市場の制御にも、政界工作にも成功することはできませんでしたが、現在の当主デイヴィッド・ロックフェラーが意思を引き継いでいることは周知のとおりです。特にデイヴィッドの時代には帝国は多国籍化していますので、アメリカ外交を通じた世界(国際社会)のコントロールは彼の最大の”経営課題”のはずです。そこにJDロックフェラーの理屈が持ち込まれるなら、彼の行動が野放図になるのは必然の成り行きかもしれません。
JDロックフェラーの言う神はキリスト教の神です。もしデイヴィッドがこの神を引き継いでいるなら、JD同様に彼自身が慈善家でないと精神のバランスが取れないはずです(JDロックフェラーの妻や娘たちはバランスを崩した。2代目は慈善事業に専念)。私はスピルバーグのメッセージなどからデイヴィッドが社会に世俗化を求める一方で、自身は歪んだユダヤ教を奉じていると考えています。正当な嫡子デイヴィッドが初代の人格と行動を形成した宗教とまるで異なるものに脈絡なく転向したとは余りに不自然で信じられません。JDが知り得なかったロックフェラー家の出自を3代目たちがいつの時点においてか気づいたと考えるべきでしょう。
(参考)フィクサーと新世界構想5
*神と金とに同時に仕えることはできないと聖書は明記しています。プロテスタンの神は労働を重んじても、「もっともっと金を稼」げ(上P273)とまでは言いそうにありません。バプティズムへの拘りを踏まえてなお、JD自身がクリスチャンを偽装していた可能性はやはりないとは言い切れません。
キリスト教世界を照らす光の伝道師ヨハネ(ジョン)の使命に加え、ユダヤ人を救済する神の人ダヴィデ(デイヴィッド)の使命までが積み増されたとするなら、デイヴィッドは一体どこまで暴走することになるのでしょうか。
タイタン〈上〉ロックフェラー帝国を創った男
クリーブランドの1石油精製業者に過ぎなかったジョン・D・ロックフェラーが今日の世界王国を築くに至る転換点は1869年にあったとロン・チャーナウは指摘しています。戦略家JDロックフェラーは、自社の経営を安定させるには生産調整と価格の安定が必須と結論づけました。そこでクリーブランド全体の業界管理に乗り出したのです。
<以下参照>ロン・チャーナウ著「タイタン」井上廣美訳
この発想から彼は鉄道を巻き込んだ精油業者のカルテルを結成しようと動き始めます。この目論見はうまく行かなかったものの、結局同地区のほとんどの業者を買収してしまいます。その後順次、他地区の業者も自社の傘下に収めることになる次第は1869年の決断からの必然の道程と言うべきでしょう。
自社の経営のために外部環境に働き掛け変化させるという考えは、以前の記事で指摘したように企業の根源的欲求ではありますが、ロックフェラーほど徹底して実践した企業人は少ないと思われます。彼は輸出拡大に伴って、世界の石油市場を制御しようとしましたし、経営に規制を掛けようとする州政府への働きかけを躊躇しませんでした。
(参考)グランドゼロのメッセージ5
なぜこれほどJDロックフェラーが自分に都合の良い環境を作るために他者に干渉することを是とし得たのか、そこには彼の独特の宗教観があったようです。彼は自分の金儲けが神の意思であると確信していました(「私たちの事業は抗いがたい神意に基づいている」上P466)。神は彼に石油を恵み(「石油、何とすばらしいお恵み」上P273)、スタンダート石油を祝福します(「(スタンダード石油は)石油事業の救世主」上P274)。彼の考えに同意しない者たち、つまり傘下に入ろうとしない業者は神の敵ですから駆逐されて仕方がありません。「(神の元にある)われわれ対彼ら」(上P276)という図式が彼の脳裏にくっきりと刻まれます。
私たちは全く同じ理屈をブッシュ・ジュニアの言動に見ることができます。ブッシュは神の代理人であり、ブッシュとアメリカは常に神に祝福されています。そして自分たちに同調する者とそうでない者とに世界を峻別し、後者を弾圧します。自己の正当化、絶対化に神が利用されています。ロックフェラー帝国初代の特殊な理屈が今日のアメリカ大統領の理屈と相似を成しているのは一体どういう訳でしょうか。
(参考)フィクサーと新世界構想4
JDロックフェラーは世界市場の制御にも、政界工作にも成功することはできませんでしたが、現在の当主デイヴィッド・ロックフェラーが意思を引き継いでいることは周知のとおりです。特にデイヴィッドの時代には帝国は多国籍化していますので、アメリカ外交を通じた世界(国際社会)のコントロールは彼の最大の”経営課題”のはずです。そこにJDロックフェラーの理屈が持ち込まれるなら、彼の行動が野放図になるのは必然の成り行きかもしれません。
JDロックフェラーの言う神はキリスト教の神です。もしデイヴィッドがこの神を引き継いでいるなら、JD同様に彼自身が慈善家でないと精神のバランスが取れないはずです(JDロックフェラーの妻や娘たちはバランスを崩した。2代目は慈善事業に専念)。私はスピルバーグのメッセージなどからデイヴィッドが社会に世俗化を求める一方で、自身は歪んだユダヤ教を奉じていると考えています。正当な嫡子デイヴィッドが初代の人格と行動を形成した宗教とまるで異なるものに脈絡なく転向したとは余りに不自然で信じられません。JDが知り得なかったロックフェラー家の出自を3代目たちがいつの時点においてか気づいたと考えるべきでしょう。
(参考)フィクサーと新世界構想5
*神と金とに同時に仕えることはできないと聖書は明記しています。プロテスタンの神は労働を重んじても、「もっともっと金を稼」げ(上P273)とまでは言いそうにありません。バプティズムへの拘りを踏まえてなお、JD自身がクリスチャンを偽装していた可能性はやはりないとは言い切れません。
キリスト教世界を照らす光の伝道師ヨハネ(ジョン)の使命に加え、ユダヤ人を救済する神の人ダヴィデ(デイヴィッド)の使命までが積み増されたとするなら、デイヴィッドは一体どこまで暴走することになるのでしょうか。

