2006年07月09日

世界貿易センターとは何か1

書籍「世界貿易センタービル」(アンガス・K・ギレスピー著)から

911テロを考える際の基礎資料として、ニューヨークの世界貿易センターの来歴を考えるのも無駄ではないでしょう。テロ前に著されたギレスピーの「世界貿易センタービル〜失われた都市の物語」から幾つかの項目を整理してみました。

1.完成までの歩み
60年1月/SOMがデイビッド・ロックフェラー(DR)に詳細計画案を提出(DRはDTLMAを通してポートオーソリティに検討を指示)
61年3月/ポートオーソリティが計画を公表
62年2月/ポートオーソリティが推進体制を整備
(この間、地元の反対などの障害に対処)
66年3月/旧ビル群取り壊し開始
(8月までに障害はほぼ解消)
67年3月/ゼネコン選定(ティッシュマン・リアリティ・アンド・カンパニー)
70年12月/一部テナント入居開始、ノースタワー基本工事完了式典
71年7月/サウスタワー基本工事完了式典
73年4月4日/開館式
*SOM:スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル社(高層建築に強い設計事務所)
*DTLMA:ダウンタウン・ローワーマンハッタンアソシエイション(DRが創設した開発推進団体)
*ポートオーソリティ:港湾開発を目的としてニュージャージー・ニューヨーク両州が設立した組織

2.テナントの状況
開館式時点/入居率50%。ポートオーソリティ自身がオフィス面積の10%程度を占める。またその母体のニューヨーク州行政官庁が25%を占めており、いわば身内で何とか体裁を保っている状態。他に連邦関税局地方組織が5%を占める。私企業はわずか。
79年/入居率90%
80年台前半/入居率96%。この時期が黄金期だった。
80年台後半以降/その後、当初私企業のメインテナントだった海事会社は徐々に退去。替わりに銀行、保険、証券会社が入居。入居率はおおむね85%程度で推移。

3.建設・運営の目的
「国際貿易の一層の拡大を目指し、通商業務の唯一の拠点として、また情報の交換および処理、国際貿易の理解を促進するためのフォーラム、そして国際ビジネス活動を推進、奨励する場所を提供することを目的として、ここに世界貿易センターを設立する」
(ノースタワープラザ・ロビーに掲げられた銘文)
関係企業を集積し、国際貿易を推進することが基本理念。入居者には一定条件が課され、ポートオーソリティには国際貿易関連テナント比率を全体の75%以上とすることが義務づけられた。

世界貿易センタービル―失われた都市の物語

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