2005年07月26日
映画「アイランド」(マイケル・ベイ)のメッセージ1
神を縛り首にしてやる―ハリウッド映画を使った公開予告
楽しみや気晴らしを求めてではなく、義務感から重い腰を上げて映画に出かけました。マイケル・ベイ監督「アイランド」のことです。この監督、何者かの意向を受けて映画をディレクションしている節が窺えます。クライアントが仕事を進めるに当たり、その下地となる世論・社会的ムードを調整する役割を果たすのは、監督が身を置いていた広告業界では当たり前の話ではあります。ですから、その何者かが今回はどんなメッセージを発しているのかを私はどうしても確かめる必要がありました。
問題の映画は、割合しっかりしたストーリー展開にスピード感が加味され、見ごたえのある作品に仕上がっていました。テーマにメッセージが即していれば、単純に楽しめたと思います。しかしやはりこの作品には、そうした爽快さの裏に、とんでもないメッセージが塗り籠められていました。
クローンたちを育成している施設の責任者は、「神になりかわって生命をコントロールしようとする者」です。「彼は神になりたいのだ」と評する従業員の言葉、セキュリティチーフの非難に対する「科学者が夢見た生命の創造をこそ成し遂げる」との本人の反論、主人公(リンカーン・6・エコー/以下リンカーン)との死闘の場面における「生命を創造した者は殺すことも許される」との発言により、そのことが明示されています。彼はステロタイプ的に描かれた「マッドサイエンティスト」です。
では、この映画は「神になろうとした人間の末路」を描いているのでしょうか?お決まりの映画のように?一見そのように思えます。しかし、真のメッセージは全く逆です。
ストーリーを追ってみます。選ばれた者、特別な者だけが行ける理想の世界「アイランド」、これは聖書が約束する「天国」そのものです。施設の人々は無邪気にその話を信じ(実は後でマインドコントロールされていたことが分かります)、そこへ行ける日を心待ちにしています。
この偽善性に気づいた二人(リンカーンとジョーダン・2・デルタ/以下ジョーダン)は(皮肉をこめて)「楽園」と呼ばれていた施設から逃げ出します。異性との交わりを知らないまま施設から俗世へ放たれた二人はアダムとイブの寓意です。逃避行の末、ジョーダンと初めて結ばれたリンカーンは呟きます「アイランド(=天国)なんて存在しない。それは今ここにある」
聖書のイメージ、言葉、祝福(「君たちはイエス・キリストに祝福されている」)を借りながら、映画は徹頭徹尾次のことを主張します―その聖書が嘘であること、約束された天国など存在しないこと(それどころかそこはナチスのガス室だ)、人間は神の都合により造られたのに騙されたままでいること。
人間は真実に目覚め、解放されなければなりません。それはかつてアメリカで奴隷が解放されたプロセスと同じです。ですから、主人公の名は「リンカーン」であり、奴隷の祖先を持つセキュリティ会社の黒人チーフは土壇場で二人を助ける側に回ります。
幻想を人間の深層心理に描きこむホログラム(立体映像装置)が施設の中心に鎮座しています。これは聖書、あるいはキリスト教思想の寓意。リンカーンは、この装置を叩き壊すことにより、人々を信仰のクビキから解放するのです。施設の責任者との格闘の末、解放者は彼を縛り首にします。施設の責任者は「神」の暗喩。神をアメリカ式に(西部劇のように)処刑したのです。
解放は成し遂げられ、「復活」と名づけられた船に乗る幸せな二人。
お分かりでしょう。映画「アイランド」は、アンチキリストを宣言した映画です。施設の責任者の処刑に溜飲を下げるとき、私たちは潜在意識で神の処刑を喜んでいます。表面上のテーマや誰もが共感できないマッドサイエンティストなどの演出装置によって、私たちは考えたこともない隠されたメッセージに同意させられているのです。まるでサブリミナル手法でメッセージを刷り込まれるように。
ここで疑問が湧きます。私たちの潜在意識にこれだけのことを伝えるために、巨額な費用を掛けて映画は製作されたのでしょうか?答えはコラムの冒頭にあります。これは現在のアメリカを特定の方向に導こうとする何者かのメッセージであり、何らかの行為(事件)の予告である可能性があります。
自分のオリジナルを追跡者に殺害させたリンカーンは宣言します「生き残るためなら何だってする」。彼らもきっとそうするでしょう。では、一体何を?神を処刑するために、彼らはアメリカで何を行おうとしているのでしょうか?映画全体のトーンからも、それが暴力を伴ったものであることは間違いありません。アメリカ国民は当地のキャッチコピー"Plan your escape"に従って、逃げ出す準備をしなければならないのでしょうか?
もし、前作で図らずも(結果として偶然に)歴史上の役割を担わせられてしまった監督なら、次回作でこんな誤解を招くような映画は作らなかったでしょう。全く気の重い映画が登場してしまいました。ご自身の目でお確かめください。
楽しみや気晴らしを求めてではなく、義務感から重い腰を上げて映画に出かけました。マイケル・ベイ監督「アイランド」のことです。この監督、何者かの意向を受けて映画をディレクションしている節が窺えます。クライアントが仕事を進めるに当たり、その下地となる世論・社会的ムードを調整する役割を果たすのは、監督が身を置いていた広告業界では当たり前の話ではあります。ですから、その何者かが今回はどんなメッセージを発しているのかを私はどうしても確かめる必要がありました。
問題の映画は、割合しっかりしたストーリー展開にスピード感が加味され、見ごたえのある作品に仕上がっていました。テーマにメッセージが即していれば、単純に楽しめたと思います。しかしやはりこの作品には、そうした爽快さの裏に、とんでもないメッセージが塗り籠められていました。
クローンたちを育成している施設の責任者は、「神になりかわって生命をコントロールしようとする者」です。「彼は神になりたいのだ」と評する従業員の言葉、セキュリティチーフの非難に対する「科学者が夢見た生命の創造をこそ成し遂げる」との本人の反論、主人公(リンカーン・6・エコー/以下リンカーン)との死闘の場面における「生命を創造した者は殺すことも許される」との発言により、そのことが明示されています。彼はステロタイプ的に描かれた「マッドサイエンティスト」です。
では、この映画は「神になろうとした人間の末路」を描いているのでしょうか?お決まりの映画のように?一見そのように思えます。しかし、真のメッセージは全く逆です。
ストーリーを追ってみます。選ばれた者、特別な者だけが行ける理想の世界「アイランド」、これは聖書が約束する「天国」そのものです。施設の人々は無邪気にその話を信じ(実は後でマインドコントロールされていたことが分かります)、そこへ行ける日を心待ちにしています。
この偽善性に気づいた二人(リンカーンとジョーダン・2・デルタ/以下ジョーダン)は(皮肉をこめて)「楽園」と呼ばれていた施設から逃げ出します。異性との交わりを知らないまま施設から俗世へ放たれた二人はアダムとイブの寓意です。逃避行の末、ジョーダンと初めて結ばれたリンカーンは呟きます「アイランド(=天国)なんて存在しない。それは今ここにある」
聖書のイメージ、言葉、祝福(「君たちはイエス・キリストに祝福されている」)を借りながら、映画は徹頭徹尾次のことを主張します―その聖書が嘘であること、約束された天国など存在しないこと(それどころかそこはナチスのガス室だ)、人間は神の都合により造られたのに騙されたままでいること。
人間は真実に目覚め、解放されなければなりません。それはかつてアメリカで奴隷が解放されたプロセスと同じです。ですから、主人公の名は「リンカーン」であり、奴隷の祖先を持つセキュリティ会社の黒人チーフは土壇場で二人を助ける側に回ります。
幻想を人間の深層心理に描きこむホログラム(立体映像装置)が施設の中心に鎮座しています。これは聖書、あるいはキリスト教思想の寓意。リンカーンは、この装置を叩き壊すことにより、人々を信仰のクビキから解放するのです。施設の責任者との格闘の末、解放者は彼を縛り首にします。施設の責任者は「神」の暗喩。神をアメリカ式に(西部劇のように)処刑したのです。
解放は成し遂げられ、「復活」と名づけられた船に乗る幸せな二人。
お分かりでしょう。映画「アイランド」は、アンチキリストを宣言した映画です。施設の責任者の処刑に溜飲を下げるとき、私たちは潜在意識で神の処刑を喜んでいます。表面上のテーマや誰もが共感できないマッドサイエンティストなどの演出装置によって、私たちは考えたこともない隠されたメッセージに同意させられているのです。まるでサブリミナル手法でメッセージを刷り込まれるように。
ここで疑問が湧きます。私たちの潜在意識にこれだけのことを伝えるために、巨額な費用を掛けて映画は製作されたのでしょうか?答えはコラムの冒頭にあります。これは現在のアメリカを特定の方向に導こうとする何者かのメッセージであり、何らかの行為(事件)の予告である可能性があります。
自分のオリジナルを追跡者に殺害させたリンカーンは宣言します「生き残るためなら何だってする」。彼らもきっとそうするでしょう。では、一体何を?神を処刑するために、彼らはアメリカで何を行おうとしているのでしょうか?映画全体のトーンからも、それが暴力を伴ったものであることは間違いありません。アメリカ国民は当地のキャッチコピー"Plan your escape"に従って、逃げ出す準備をしなければならないのでしょうか?
もし、前作で図らずも(結果として偶然に)歴史上の役割を担わせられてしまった監督なら、次回作でこんな誤解を招くような映画は作らなかったでしょう。全く気の重い映画が登場してしまいました。ご自身の目でお確かめください。
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1. アイランド [ ネタバレ映画館 ] 2005年08月02日 13:22
今年は、車の横っ腹にぶつけられる映画が多くないですか?
今回もやられちゃいました。過去に車の横にぶつけられたことのある人にとっては、一瞬のうちに記憶が甦ってくるのです。『ボーン・スプレマシー』『フォーガットン』『ダニー・ザ・ドッグ』、そしてこの『アイ...
2. ★「アイランド」 [ ひらりん的映画ブログ ] 2005年08月02日 14:23
「パール・ハーバー」「アルマゲドン」のマイケル・ベイ監督が放つ近未来アクション巨編。
ホントは「〜監督作品」というのより、「〜〜」主演作って言われて欲しいけどね。
その主演は、ひらりんお勧めのユアン・マクレガー・・・スターウォーズのオビ=ワンです。
2005...
3. [映画]「アイランド」レビュー [ レビュートラックバックセンター ] 2005年08月04日 04:18
[映画]「アイランド」に関するレビューをトラックバックで募集しています。 感想・
4. 「アイランド」 [ NUMB ] 2005年08月04日 20:48
「アイランド」 ★★★
THE ISLAND (2005年アメリカ)
監督:マイケル・ベイ
キャスト:ユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソン、ジャイモン・フンスー、スティーヴ・ブシェミ、ショーン・ビーン、マイケル・クラーク・ダンカン、イーサン・フィリップ....
5. 『アイランド』を観る [ デスマッチだよ、人生は! ] 2005年08月08日 18:27
「偏差値30からのハリウッド映画」の登場である。
マイケル・ベイという監督は、ハリウッドの中でも突出したバカであろう。
しかし愚か者ではないのだ。
世界に訴えたいものとか、芳醇なストーリーテリングとか、そういうカネ儲けにジャマなものには見向きもしないのだから...
6. 『アイランド』を観て来ました! [ ☆★☆風景写真blog☆★☆healing Photo! ] 2005年08月08日 21:57
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アイランド
The Island
生き延びろ!! 地上でもっともピュアな魂
現在、過去、そして近未来へ
観るものすべてのハートを貫いて、いま
地...
7. The Island / アイランド [ NY映画生活 ] 2005年08月13日 21:50
Story
大気汚染から救い出され、あるコミュニティで暮らし始めて3年になるLincoln。安全で快適だけれど、退屈な日々。ここで暮らす人々の夢は、地上最後の楽園"Island"へ行くこと。日々行われる抽選会が彼らの最大の関心ごとだ。しかし、ある日、Lincolnは疑問を抱く…。
...
8. アイランド [ 女ざかり映画日記 ] 2005年08月14日 09:37
★★★★アイランドです。楽しめました。
9. アイランド [ Akira's VOICE ] 2005年08月19日 14:00
都合の良い展開があるものの,見応え満点のアクションと,
人類への警告が絡み合い,最後まで飽きずに楽しかった!
10. アイランド [ シネクリシェ ] 2005年08月23日 20:34
冒頭から少し異様な印象を受けました。冒頭からいかにもSF映画らしいといえばSF映画らしいの美術が展開され、未来都市での集団生活といった光景
11. アイランド 今年の232本目 [ 猫姫じゃ ] 2005年12月01日 17:43
アイランド
いやぁ、おもしろかった。
うちの姉君、最近、少し良くなってきたのですが、まだ安静生活。で、アイランド見たいから、借りてこい!と、、、新作だから、全部貸し出し中yo。といっても、誰かが返しに来るまで、そこで待っていろ!と、、、
最初の近未来的なお....
12. DVDで「アイランド」を観ました。 [ GOOD☆NEWS ] 2006年01月06日 21:30
映画「アイランド」を観ました(公開は2005年7月)。「アルマゲドン」「パール・ハーバー」のマイケル・ベイ監督が放つ近未来アクション超大作!と言うふれ込みでした。私は、その監督の作品では「アルマゲドン」をレンタルで観て、面白かった部類に入っていたのですが、...
この記事へのコメント
1. Posted by zero
2005年07月26日 15:09
観劇中、つい考えこむうちに見逃した箇所があります。お分かりの方は是非教えてください。
1.リンカーンが住む都市の名は?(地域番号600はどこ?)
2.施設に乗り込む前にリンカーンとジョーダンが船に関して交わした会話の内容は?
3.施設責任者の喉にリンカーンが打ち込んだものは?
1.リンカーンが住む都市の名は?(地域番号600はどこ?)
2.施設に乗り込む前にリンカーンとジョーダンが船に関して交わした会話の内容は?
3.施設責任者の喉にリンカーンが打ち込んだものは?
2. Posted by zero
2005年12月17日 11:03
上の疑問はすべてDVDによる再見により解消されました。次の記事をご参照ください。
http://getmessage.livedoor.biz/archives/50285638.html
http://getmessage.livedoor.biz/archives/50285638.html

